【戸建てリフォーム事例】築30年、水回りと1階の生活動線を見直した家
2026/10/27
築30年ほどの2階建てに、一人で暮らす70代の女性からリフォームのご相談をいただきました。
隣には娘さんご家族がお住まいです。行き来はしやすいものの、家の中には家族みんなで集まれる広い場所がありませんでした。
ご相談のきっかけは、水回り設備の老朽化です。
しかし、お話を聞いていくと、困りごとはキッチン・浴室・洗面所・トイレだけではありませんでした。
「娘たちが来ても、みんなでゆっくり集まれる場所がないんです」
「タイル張りのお風呂は、冬になると寒くて……」
「今は2階へ上がれますが、この先のことを考えると少し心配ですね」
水回りを新しくするだけでなく、これから先も無理なく暮らせる家にしたい。そこから今回の計画が始まりました。
水回り以外にも重なっていた悩み
リフォーム前の家は、部屋が細かく分かれた昔ながらの間取りでした。
台所・食事室、和室、応接間がそれぞれ独立しており、応接間はほとんど使われていません。和室にはたんすなどが置かれ、十分な広さを活かしにくい状態でした。
水回りにも、次のような悩みがありました。
- タイル張りの浴室が冬に冷え込む
- トイレの床や排水口のにおいが気になる
- 洗面台と洗濯機の配置が使いにくい
- 家の中まで冷え込み、部屋ごとの温度差がある
- 掃除や布団の上げ下ろしが負担になってきた
さらに、寝室として使っている和室と水回りの間には廊下があり、夜にトイレへ行くときの移動にも不安が残ります。
今は階段を上り下りできても、将来同じように動けるとは限りません。そのため、1階だけでも日常生活が成り立つことを計画の前提にしました。
設備交換だけでは解決しなかった理由
キッチン、浴室、洗面所、トイレを元の位置で交換すれば、設備は新しくなります。
ただ、それだけでは「家族が集まれる場所がない」「寒い廊下を通る」「使われていない部屋がある」といった問題は残ります。
そこで、何を取り付けるかを決める前に、1階でどのように過ごしたいかを整理しました。
計画の中心に置いたのは、次の4点です。
- 生活に必要な場所を1階に集める
- 水回りとリビングの温度差を小さくする
- 段差を減らし、できるだけ引き戸にする
- 移動や家事の無駄を減らす
水回り4点の交換を入口にしながら、1階の間取り全体を考えるリフォームへと計画を広げました。
リフォーム前は、台所・食事室、和室、廊下、応接間が壁や建具で区切られていました。
大勢で集まれる場所をつくるには、設備を替えるだけでなく、あまり使われていない部屋をどう活かすかも考える必要があります。
一方で、壁を取り払えばよいわけでもありません。寝室、収納、家族が集まる場所、人が通る場所を、それぞれ無理なく配置する必要があります。
2つの提案プランを比較しました
最初から一つの間取りに決めず、生活動線の異なる2つの案を比較しました。
提案プラン1|家族が集まりやすいLDKを優先
リビングの手前に対面キッチンを配置し、寝室側にクローゼットを設ける案です。
リビングの奥に、食事とくつろぎのための落ち着いた場所を確保します。キッチンと洗面室が近いため、料理や洗濯の移動も短くなります。
娘さんご家族が来たときも、料理をしながら会話しやすいことが特徴です。
提案プラン2|寒い廊下を通らない動線を優先
階段裏の押し入れを撤去し、リビングから寝室へ直接入れる引き戸を設ける案です。
寒い廊下へ出ずに移動でき、キッチンを奥へ置くことで、調理中の手元が見えにくくなる利点があります。
一方で、くつろぐ場所と寝室へ向かう動線が重なりやすいという課題もありました。
間取りは、広く見えるかだけでは決められません。普段どこに座り、どこを通り、誰とどのように過ごすかまで考えて比較します。
最終的な工事範囲を決めた理由
2つの案をもとに、家族が集まれるLDK、対面キッチン、1階の寝室、水回り、収納をつなげた最終計画を整えました。
大切にしたのは、現在の不満だけでなく、今後、階段を使いにくくなった場合にも1階で生活を続けられることです。
設備を一度に新しくするためではなく、後から間取りや配管を触り直す二度手間を減らすために、水回りと1階の改装をまとめました。
キッチンは、家族と話しながら作業できる対面式にしました。
食器洗い機とIHコンロを取り入れ、カウンターの下には分別ごみの収納を設けています。設備を増やすことより、調理・片付け・ごみ出しまでの流れを短くすることを優先しました。
浴室は、冬の寒さをやわらげるシステムバスへ変更しました。浴室だけでなく、洗面室やトイレとリビングのつながりも見直し、移動時の温度差を減らす計画です。
トイレは汚れが付きにくく、掃除の負担を抑えやすいものに交換。洗面台は、収納量と洗面ボウルの使いやすさを確認して選びました。
和室での布団の上げ下ろしを減らすため、寝室にはベッドを置き、クローゼットを新設しました。
ベッドは、布団が落ちにくく、ゆとりを持って休めるようセミダブルを選んでいます。
夜の移動にも配慮し、廊下とリビングにはセンサー付きの足元灯を設置しました。段差を減らし、必要な場所には手すりを付け、出入り口には引き戸を採用しています。
洗濯物は1階で干せるよう、室内のラックから屋外へ出しやすい場所を確保しました。天候が悪い日には、エアコンが効きやすい位置で室内干しもできます。
収納を増やすだけでなく、使う場所の近くに置けること、持って移動する距離を減らすことを考えています。
リフォーム後、家族が集まる家へ
リフォーム後は、娘さんご家族が毎朝コーヒーを飲みに来るようになりました。
対面キッチンのあるLDKができたことで、料理をする人と、食卓やリビングで過ごす人が同じ時間を共有できます。
お客様からは、段差がなく足元灯も付くため、夜中でも安心してトイレへ行けること、以前より暖房が効きやすく、切ったあともしばらく暖かさが残ることを喜んでいただきました。
水回りが新しくなっただけではありません。
家族が自然に集まれる場所ができ、夜の移動や冬の寒さへの不安も小さくなりました。お孫さんからも「おばあちゃんが元気になった」と喜んでいただけたそうです。
この事例で、水回り4点すべてを交換したことだけが大切なのではありません。
水回りの老朽化をきっかけに、使われていない部屋、寒い移動経路、家族が集まる場所、将来の階段移動まで一緒に整理したことがポイントです。
家によっては、浴室と洗面所だけで十分な場合もあります。反対に、設備を一つずつ交換すると、後から間取りや配管を触り直すことになる場合もあります。
最初から工事範囲を決めつけず、今困っていることと、この先どのように暮らしたいかを確認する。そのうえで、今回直す場所と将来に残す場所を分けて考えます。
水回りだけか、間取りまで直すか迷っている方へ
「水回りが古くなってきたけれど、どこまで直せばよいか分からない」
「親が階段を使いにくくなる前に、1階の暮らしを整えたい」
そのような段階からご相談いただけます。
キッチン・浴室・洗面所・トイレを全部交換することを前提にせず、住まいの状態と普段の暮らしを見ながら、必要な工事範囲を一緒に考えます。
お電話では、築年数、現在困っていること、今後心配なことを分かる範囲でお伝えください。LINEでは、間取り図や気になる場所の写真も送っていただけます。
- リフォームの相談や見積もりをお願いすると費用はかかりますか?
- 費用はかかりませんので、安心してご相談ください。
- リフォームはどこまでできますか?
- 住まいのことであれば、なんでも対応可能です。
- 施工後に追加料金は発生しますか?
- 基本的には発生しません。
もし発生した場合はお客様に必ずご連絡し、ご納得いただいたうえで進めます。
- 1階だけで暮らせるようにリフォームできますか?
- 建物の状態や1階の広さによりますが、寝室、水回り、収納、物干しなどを1階にまとめられる場合があります。現在の間取りと普段の動きを確認して検討します。




